運動には鉄が必要

運動にはなぜ鉄分が必要?

ミネラル成分の1種である鉄は、私達の体内に存在しています。
量としては3%~5%程度ですが、人間が呼吸をして体内に酸素を取り込む際にはとても重要な働きをしています。
体を休めても疲れがなかなか取れない人や、慢性的に体が疲れているという人は、もしかしたら鉄不足が原因かもしれません。

私達の体は酸素を必要としていて、呼吸によって外部から酸素を摂取します。
運動をすると体内の赤血球が破壊されやすくなり、普段よりも多く酸素が必要となります。
この酸素を血液を通して全身に運ぶのが、鉄の役割です。

運動時に鉄が不足すると、呼吸によって取り入れた酸素が前進へ運ばれにくくなってしまいます。
その結果エネルギーが不足しやすくなったり、トレーニングの効果が表れづらくなってしまいます。

また運動することで赤血球が壊れやすくなり、溶血反応が起こりやすくなります。
そうすると消化管や尿路系からわずかな出血が起こったり、汗をかく事によって鉄分が体外へ排出されてしまうこともあります。
つまり、運動することによって体内の鉄分がより多く消費されやすい環境となるため、普段よりも多く摂取することによって必要な酸素を全身へ供給しやすい体内環境づくりができるのです。

効率的に鉄分を補給できる方法

鉄分をできるだけ効率的に補給する種には、普段の食生活を工夫するという方法がベストです。
鉄にはたんぱく質と結合しやすいヘム鉄と、ミネラル成分として存在している非ヘム鉄とがあります。
ヘム鉄は肉や魚などの動物性たんぱく質と相性が良く、食品なら牛肉やうなぎ、マグロなどに多く含まれています。
普段の食生活では、これらの食材を積極的に食べると良いでしょう。

一方の非ヘム鉄は、ほうれん草や小松菜などの野菜、また納豆などの大豆製品に多く含まれています。
非ヘム鉄はビタミンCと相性が良く、一緒に摂取することによって吸収力が高まります。

鉄分を効率的に補給するためには、上記の食品を積極的に毎日の食事で摂取するだけでなく、酢の物や梅干しなどすっぱいものと一緒に取るのがおすすめです。
すっぱいものは胃酸分泌を活性化する作用があり、栄養吸収を良くしてくれます。

一方、鉄分を効率的に補給したい時には避けたほうが良い成分もあります。
それが、タンニンです。
緑茶やコーヒーなどに多く含まれる成分で、抗酸化作用をもつポリフェノールの一種であるタンニンは、鉄と結合しやすいという特徴があります。
そのためタンニンと鉄を一緒に摂取してしまうと、腸内で結合して体内への吸収が阻害されてしまうのです。
運動前の食事で鉄分を補給するなら、緑茶やコーヒーは控えたほうが良いでしょう。