違いの分かる大人のためのバイク、トライアンフ スピードトリプル

英国自慢のストリートファイター

このモデルは1994年にストリートファイター分野のパイオニアと言っても過言ではないほど鮮烈なデビューを飾ったバイクでした。
2015年に2016年モデルが発表され、さらにその能力を磨き上げ、スタイルもブラッシュアップされた「スピードトリプルRS」が2018年モデルとして発表されています。
英国人は気の長い国民性を持つと言われますが、このモデルもその国民性に反することなく、長く愛され付き合えるモデルとして登場したと言えます。

マイナーチェンジの期間は短いのですが、この2回でなんと200か所を超えるブラッシュアップが施されており、メーカーはこれを熟成と位置付けます。
RSはニューラインアップモデルで、かつハイスペックな旗艦の役割も任されているため、幅広いパーツで見直しが行われました。

その特徴的なパーツを一つ挙げるなら心臓となるエンジンで、水冷3気筒エンジンには軽量化が図られたクランクが採用された以外に、随所に設計変更が施されています。
外観の特徴は引き継いでおり、特徴的な2灯ライトと上がり気味な排気マフラーは健在です。

旧モデルとのスペック比較

1050ccの大排気量・直列3気筒エンジンは、圧縮比をあげる設計がとられ、最高出力150psと旧モデルから10ps引き上げられています。
最大トルクも同様に11.4から11.9kgf-mへとアップしており、低回転域でもギアチェンジせずに湧き上がる豊かなトルク特性を実現しました。
もちろん高回転域でも鋭く吹け上がりを見せ、全回転域で力強さを感じさせます。

もともとこの車種は1994年にハイスペックのスーパースポーツモデルを基礎として、少し上体を起こして市街地走行でも楽に乗れるスタイルにテイスティングされた、ストリートファイターであったことを改めて想起させます。
難点を言えば、この車種はシート高が825mmとやや高めであるため、体格により脚付きの悪さが気になる方がいるかもしれません。
ただ、高性能であっても扱いやすいバイクなので、一旦シートに跨った際の感覚はくつろげるポジションが取れます。

3気筒エンジンの特色

この車種の最大の特徴ともいえる3気筒の大排気量エンジンはハイパワーを生み出すだけではありません。
大容量のシリンダーが生み出すのは、どの回転域からでもひねり出してくれる滑らかなトルクで、ギアシフトを変えなくてもアクセルをひねれば力強く反応してくれるため、パワーを使い切っている満足感が得られます。
さらに、3つの大容量シリンダーが醸すビートは胸の鼓動を高めるだけでなく、体ごと気持ちの良い振動を与えてくれるでしょう。

安定したコーナリング性能を獲得

新設計のユニットが採用されたことと、ABS等の最新技術との連携により、安定感のあるスムーズなコーナリングを手に入れました。
ハイパワーを制御する制動装備は前輪ブレーキにブレンボ製モノブロックタイプを採用し、ワインディングでライダーの快適性に大きく寄与する前輪フォークのサスはオーリンズ製の倒立タイプを採用しました。