これ以上ない完成度!スズキ GSX1400

ノスタルジック感を漂わせるスーパーネイキッド

往年のライダーであれば750ccでしたが、かつてから「最大排気量」マシンに憧れを持ったライダーは多いはずです。
周りのどのマシンより大きなエンジンとパワーを自在に操りたいというライダー共通の願いを具現化したのがこのマシンです。

GSX1400は、スズキが2001年~2008年まで製造していた、1,400cc油冷4ストロークエンジンを持つモンスタークラスのスーパーネイキッドマシンです。
GSX-750Rのために開発されて以降磨き上げられてきた名機のラストとなる油冷マシンです。
近年のネイキッドマシンは外観のデザインを中心に進化するヨーロッパ勢のスーパースポーツに引っ張られる形で、次々にメカニックでロボティクスに変化しています。

ところが、そんな中でGSX1400はどこかノスタルジーを感じさせてくれる、標準的なスーパーネイキッドと言えます。
大排気量エンジンを持つビッグマシンであるが故の大柄なボディに、伝統の油冷エンジンが搭載されると聞くだけで胸が高まるのではないでしょうか。

GSX1400のスペックと特徴

エンジンは横置き4気筒ですが、これはスズキ・バンディット1200に搭載するために開発されたものを基礎としています。
排気量を200ccもアップするにはエンジン自体が大きくならざるを得ませんが、全体が大きくなると当然幅も広くなります。

その弊害を回避するため、GSX1400のエンジンは、ストローク量を長めに取り幅が広がるのを抑えました。
そのことにより、最大トルクは12.8kg-m/5000rpmをたたき出し、低回転域で力強さを感じられるエンジンになっています。
ちなみに最高出力は100ps/6500rpmと、こちらも低回転域で発揮します。

スタンダードかつパーフェクト

このマシンを一目見て、すぐに感じるのは圧倒的なボディの大柄さです。
全体的に大柄というだけでなくマフラーや各種ライト類、シート周辺、240km/hまで刻まれたスピードメーターに至るまで、他のクラスとは一線を画す異次元の存在感を与えます。
国産ネイキッドモデルらしくダブルクレードルフレームに搭載されたダブルオーバーヘッドカム4バルブ油冷エンジンは、特に大迫力の存在を示します。

ところが跨ってみると、シート高775mmと足つきが良く、自然な姿勢がとりやすいハンドル位置などとあわさり、大きさに比してコンパクトに納められている印象を強く与えます。
サスペンションはスポーツバイクに採用されている調整可能式のモノが採り入れられ、ライダーの好みのセッティングが実現できます。
大柄なボディを活かして、シートを外すと従来のネイキッドモデルにはない広いスペースが現れ、使い道を想像するだけでも楽しみがあります。
シートの素材や構造、燃料系のパーツに至るまで、細部にわたり丁寧なつくり込みも見られ、大きさだけでなく隙のない完成度はさすがです。