ストリートファイター、スズキ GSR750

GSX-R750のエンジン搭載のストリートファイター

従来からスピードと信頼性に好評を博していた GSX-R750 のエンジンをのせたストリートファイターとして2010年に発表されました。
エンジンはそのまま引き継ぐのではなく、圧縮比調整で燃焼効率をアップさせ、日常走行にシフトされています。
そのこともありGSR750は加速に不満はないモノの、とても扱いやすいテイスティングに感じます。

基本的にはGSR600を引き継ぐ車種として、さらにパワーアップした動力性能とスタイリッシュな外観を持ち、各部パーツ類をよりスポーティなモノに変更されました。
もともとヨーロッパでは価格的にも手を出しやすいミドルクラスのネイキッドタイプやストリートファイタータイプのバイク人気が高く、激戦区であるという土壌があります。

同じ車格帯には、「ヤマハFZ8」や「カワサキZ750」、「BMW・F800R」、「DUCATIモンスター796」と言った強力な競合車種が勢ぞろいしています。
スズキとしては、従来モデルの GSR600だけでは、同じクラスで争う事は困難であるという判断だったのでしょう。

GSR750のスペック

最高出力は106ps(78kw)/10000rpmと、かなり高い回転域でパワフルな力を発生することが分かります。
同様に最大トルクは8.2kg・m(80N・m)/9000rpmとこちらも高回転を指向しており、これらのことからも市街地走行というよりストリートファイターとして開発されていることが分かります。

車体重量は213kg、排気量は749cc、シート高は815mmと標準的です。
往年のライダーにとっては750ccの響きだけでも憧れのブランドだったのですが、最近このクラスのバイクをウリにするバイクメーカーは珍しい存在で、1200・1300クラスをウリにするメーカーが増えました。
それにもかかわらず、スズキは今も750ccのネイキッドも生真面目に開発してくれるとても有り難いメーカーと言えるでしょう。

スペックから見る特徴

エンジンはGSXを基本的には引き継ぎつつ、この車種に積むに際して、細部のパーツの調整が行われネイキッドとして求められる市街地走行もこなせる特性に変えられました。
GSX-R750との比較においてはずいぶん扱いやすい能力になっているのですが、スポーツネイキッドの名に恥じないデータを国内仕様であるにもかかわらずたたき出しています。
逆輸入車を思わせるデータを並べており、大排気量スポーツ車にありがちな主力制御は見られません。

コンパクトな車体に大排気量エンジン

車体はコンパクト設計が目指されており、同シリーズのGSR400と同程度です。
重量を比べると大排気量にもかかわらず、2kgの軽量化に成功しており、エンジンが大きくなった分はストレートに動力性能に反映しています。

GSR400もこの車格クラスではスピードに定評のあるモデルであり、それが排気量アップされているわけですから、GSR750の加速力の鋭さが想像できるでしょう。
車体色には特別仕様で2トーンカラーが設定されており、チェーンやサスペンションにはオリジナルの色、フォークにもゴールドを採りいれるなどスズキの本気度を示す外観です。