ヨーロッパ市場向けの大排気量バイク
ヤマハ「MT」シリーズは高い人気を博すシリーズです。
MT-01は主として欧州市場をターゲットとして2005~2009年にかけて製造されていた輸出用のバイクです。
発売に先駆けて、1999年に東京モーターショー、2004年にドイツのインターモトで発表された経緯があり、そこで人気が出たこともあり発売後すぐに完売となりました。
MTシリーズは現在でも高い人気を誇り、MTオーナーズミーティングが毎年開かれるほどです。
2014年にMT-09が加わりラインナップはさらに強化され、4気筒1,000ccのMT-10/SPを始め3気筒900cc続いて700cc、300cc、250ccと幅広い排気量クラスに展開しています。
それぞれのモデルは世界規模で愛されて、各クラスのトップクラスの販売実績を持ちます。
MTシリーズのフラッグシップと位置付けられたMT-01は、「鼓動」をイメージした45°Ⅴツイン1,670cc2気筒という大排気量の空冷エンジンを持つハイスペックのスーパースポーツ・大型ネイキッドマシンです。
MT-01の外観の特徴は、車体で際立つ「いぶし銀」色の排気マフラーに端的にあらわれており、1670ccVツインエンジン特有のサイドにウネルように伸びる美しさは何とも優美です。
またホイールは十字形が採用されこちらも独特です。
大型の丸形ライトも組み合わさり、大型ネイキッドマシンの名にふさわしい筋肉質の堂々たる風格を備えています。
MT-01のスペックとその特徴
ネイキッドバイクのエンジンとしては珍しく、最高出力は90psに抑えられていますが、特筆すべきは回転数4,750と極めて低い回転域で発生させることでしょう。
一方の最大トルクは15.3kgf-mとトルクフルで大排気量の力強さがいかんなく発揮されていると言えます。
トルクの方も回転数3,750と低回転域で発生します。
変速シフトはリターン式5段が採用されました。
このように独特な出力特性となっているのは、1670ccもの排気量を2つの気筒に分けているため、出来る限り低回転域でパワーを得ようという事でしょう。
もしかするとこのモデルがコンセプトとする「鼓動」をより感じやすくする狙いがあったのかもしれません。
その結果、日常使う低回転域でも十分に大排気量のパワーを得られやすく、取り扱いやすいエンジンに仕上がりました。
どのシフトでもスロットルを開けば、無理なくトルクが沸き上がるイメージです。
MT-01の魅力
外観面での最大の魅力はまるで巨大なエンジンの前後に2つの車輪を付けたかのような、マッチョなロボットを思わせる独特のスタイルです。
走行面では、1570ccものパワーはスロットルを開くとまるで大地を蹴るイメージで加速します。
ただシート高が825mmとやや高く、足つきの面でライダーを選びます。
また車体重量もさすがに243kgと重く、やや取り回しに不満を持つライダーもいますが、大排気量を勘案すれば致し方ないところでしょう。