マット塗装はかっこいいけどお手入れが大変

マット塗装はかっこいいけどお手入れが大変

マット塗装とは?

マット塗装とは、一言でいうなら「ツヤ消し塗装」のことです。
多くの車やバイクは艶のある塗装が施されており、光が当たるとキラキラと輝きを放ちます。
しかしマット塗装の場合には、艶がないため、光が当たってもキラキラ感が出ません。
これは塗装面に細かい凹凸を付けることで、光が当たっても乱反射させることで艶を消すというメカニズムです。
そしてこの点が、マット塗装の大きな特徴です。

市販されている自動車でマット塗装を初めて採用したのは、2010年に発売開始となったアルファロメオのブレラでした。
しかしブレラ全車がマット塗装だったわけではなく、限定車として発売されました。

2010年以前にも、マット塗装を施した車やバイクはありました。
しかし多くの場合、軍用の車両など艶を消すことに大きな目的がある場合や、カスタムによるマット塗装が一般的でした。
それがブレラをきっかけに量産車でもマット塗装が注目さるようになり、それ以降は自動車やバイクの色選びの際にマット塗装が選択肢の一つとなる車種が増えていったのです。

マット塗装ではどんな点に注意が必要?

マット塗装は、ボディについた細かい傷が目立ちやすいという特徴があります。
ツヤのある塗装が施されている自動車やバイクの場合、ワックスやコーティング剤などを使うことで傷を目立たなくすることができます。
しかしマット塗装の場合には、こうしたワックスやコーティング剤選びにも注意が必要で、マット塗装対応のモノでなければいけません。
うっかり艶塗装に対応するアイテムを使ってしまうと、中途半端なツヤが出てしまったり、変色するといったトラブルが起こりやすくなります。

また、マット塗装の質感が失われてしまったり、色や質感にムラが出ることもあるため、注意しなければなりません。
ボディへワックスやコーティング剤を使う場合には、塗装面の細かい凹凸が損なわれないように、ゴシゴシと擦ったり拭かないように気を付けることも必要です。

塗装面で目立ちやすいのは小さな傷だけではなく、手で触れると手脂が目立ちやすいという点もマット塗装の大きな特徴です。
手脂ぐらいならふき取ることで除去できますが、ベッタリとついてしまった油だと、とても目立つだけでなく完全に除去できないこともあります。
そのため、どこに保管するかという点についてもマット塗装の自動車やバイクでは大きな問題となるでしょう。

撥水性が悪い点も、気を付けなければいけません。
ツヤ加工のボディなら雨や水滴は水玉となって流れ落ちますが、マット塗装の場合、塗装面が滑らないため水玉が流れ落ちません。
そのまま乾燥してウォータースポットがついてしまうと、ボディを磨けないため、除去するのは困難です。