現在は自動車に名称が引き継がれたホンダ ジェイド

ホンダ「ジェイド」という名前は、現在ではミニバンとして親しまれていますが、元々はバイクの名を冠したモデルでした。1991年に登場したホンダのネイキッドスポーツバイク「ジェイド」は、その名の通り、翡翠のような輝きを持つ魅力的な存在感と、スポーティで親しみやすい乗り心地で多くのライダーに支持されました。本記事では、このホンダ ジェイドに焦点を当て、特徴や乗り心地、足つき、さらにスペックについて詳しくご紹介します。


ホンダ ジェイドの特徴

1990年代初頭のバイク市場は、250ccクラスにおける4気筒エンジン搭載のネイキッドスポーツが主流でした。その中で、ホンダ ジェイドはスポーティさと親しみやすさを融合させたデザインで登場しました。

シンプルかつ機能美を追求したデザイン

ジェイドの外観は、無駄を省いたシンプルなネイキッドデザインが特徴的です。エンジンやフレームがむき出しになったスタイルは、機械的な美しさを強調しており、軽快さを感じさせる印象を与えます。初期モデルには、翡翠をイメージしたグリーンカラーが設定され、その名にふさわしい洗練されたデザインが話題となりました。

250ccクラス4気筒エンジンの実力

ジェイドには、CBR250RRと同型の「MC14E」エンジンが搭載されています。この水冷4ストロークDOHC4気筒エンジンは、高回転域でのスムーズな加速と心地よいエンジンサウンドを実現。最高出力40PS(14,000rpm)というスペックは、当時の250ccクラスの中でも非常に魅力的なものでした。

軽快で素直な走行性能

80年代から90年代にかけて、高性能化が追求されたスポーツバイクの中で、ジェイドは「軽快で扱いやすい走り」をテーマに開発されました。操縦性に優れたダブルクレードルフレームや、正立フォークを採用したフロントサスペンションが、安定感とレスポンスの良いハンドリングを両立しています。


ジェイドの乗り心地

ホンダ ジェイドの乗り心地は、多くのライダーにとって「快適」と評価されるものでした。250ccクラスながら、柔軟性のあるサスペンションと、4気筒エンジンのスムーズな回転特性が、振動を抑えた快適な乗車感を提供します。

日常使いでも心地よい走り

ジェイドの設計には、スポーツバイクとしてのパフォーマンスだけでなく、日常使いでの快適性も考慮されています。たとえば、エンジンが低中回転域でもトルクフルなため、街乗りでの扱いやすさが際立っています。信号待ちからの発進や渋滞時の操作でも、スムーズな挙動を見せるため、初心者ライダーにも適した特性を持っています。

長時間のツーリングにも対応

また、乗車姿勢にも配慮された設計が特徴的です。ネイキッドタイプのバイクらしく、前傾姿勢が強すぎず、ハンドル位置やフットペグの配置が自然体で長時間のライディングでも疲労を感じにくい工夫がされています。ツーリングライダーにとっても嬉しいポイントです。


足つき性能と操作性

バイク選びにおいて、足つき性能や操作性は重要なポイントです。ジェイドのシート高は780mmと適度な高さに設定されており、多くの日本人ライダーが安心して足を地面につけられる仕様となっています。

しっかりとした接地感

ジェイドの足つき性能は、特に初心者や女性ライダーからの評価が高いです。軽量な車体(乾燥重量146kg)は取り回しがしやすく、駐車場や狭い場所での操作でも安定感があります。これにより、ライダーの不安感を軽減し、気軽にバイクライフを楽しむことができます。

操作性に優れたフレーム設計

また、フレーム設計も操作性の良さに寄与しています。ダブルクレードルフレームは剛性と柔軟性のバランスが取れており、低速から高速まで安定した操作感を実現しています。これにより、ライダーがバイクを思いのままに操る楽しさを味わえる仕様になっています。


詳細スペック

最後に、ホンダ ジェイドの主要スペックを簡潔にまとめてご紹介します。

  • 全長×全幅×全高:2060mm × 710mm × 1105mm
  • ホイールベース:1420mm
  • シート高:780mm
  • 乾燥重量:146kg
  • エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4気筒
  • 排気量:249cc
  • 最高出力:40PS / 14,000rpm
  • 最大トルク:2.4kgf・m / 11,000rpm
  • 燃料タンク容量:14L
  • 燃費:38km/L(50km/h走行時)

このスペックは、ジェイドがいかに優れたバイクであったかを示す証拠です。軽量でパワフル、そして扱いやすいというバイクの理想形に近い存在と言えるでしょう。


まとめ

ホンダ ジェイドは、250ccクラスのネイキッドバイクとして、デザイン・走行性能・快適性のバランスが取れた1台でした。翡翠という名前が示すように、持つほどに愛着がわく魅力を持つバイクです。

現在はその名前がミニバンに受け継がれていますが、バイクとしてのジェイドが持っていた特性や魅力は、今も多くのライダーの記憶に残っています。もし中古市場で見かけたら、一度その魅力に触れてみる価値があるでしょう。


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